鍬(くわ)の形をした歌碑
平成3年5月、芥川龍之介文学碑を建立された千葉県一宮町の老舗旅館「一宮館」では、同年12月15日、歌人・小高倉之助氏の歌碑を建立しました。
小高倉之助氏は明治40年12月16日、一宮町の生まれで、千葉県信用農業協同組合連合会理事、千葉県農業会議農地部会長、などの要職を歴任されました。
一方、昭和7年に吉植圧亮氏の主催する短歌結社「橄欖」に入会、以来60年、土をいつくしみ、農業を愛し、その生活実感を詠み続けてこられました。今日までに「土の肌」(昭和41年4月)、「頚木」(昭和48年12月)、「零余子」(昭和62年2月)の三冊を上梓されています。
松の緑美しい「一宮館」の庭園に、芥川荘とともにふたつの文学碑が並ぶことにより、多くの文学愛好者の話題を喚起し、新しく文学に関心をよせる人々の、一人でも多くの誕生を期待したいものです。
なお、芥川龍之介ゆかりの宿「一宮館」は、倉之助氏の三女悦子さんの嫁ぎ先でもあります。
この文章は小高倉之助歌碑建立除幕式にて、発起人の皆様よりご挨拶いただいたものです。 |